| 和歌山読売写真クラブ例会(新聞掲載分)

 2021.08              

                        「夕陽に輝く」

 サーフィンは今回のオリンピック協議として中継され大波を乗りこなす姿に感動しました。作者はサーファーが集まる地元磯ノ浦の夕暮れ、海から上がった一人が持つサーフボードが夕日に輝く瞬間を捉えました。立ち向かうばかりではなく共に過ごす自然があることを見事に表現しました。
 2021.06            

                       「小鳥のいるドア」


 ポルトヨーロッパにあるドアの取っ手をよく見てみたら小鳥のクチバシのようだった。という作者は何気ないところや日頃見過ごしてしまいがちな場所から見えてくるものに関心を抱いているようです。差し込む光や雲の形、水溜まりなど面白いものがみぢかにあることを教えてくれる作品です。
 2021.04        

                       「可憐に咲く」

 春の柔らかい光を浴びて可憐に咲くチューリップの花2輪、白い花弁と淡いピンクの花弁が光を受け止めるかのように広がった形は清楚で清々しく花弁の付け根は黄色のアクセント。マクロレンズの浅いピントを利用した前ボケの美しさが画面の奥行きと格調を作り出しました。
 2020.12        

                        「上棟式」

 地元のお寺が新しく建て替えられその経緯を記録している作者だからこそ、この晴れやかで儀式に則った上棟式の最高の瞬間を捉えることができたのでしょう。青空のもと三組の大工方が木槌を一斉に振りかざしその上にたなびく吹き流し。まるで舞台を見るかのような作品です。
 2020.10               

                          「魅惑」

   岩出市の緑花センターでの撮影とのこと。作者は鮮やかな紅いハイビスカスを単なる花の撮影に終わらせず、この花の持つつややかさ、なまめかしさを感じバックが黒く落ち込む場所を探し撮影、植物ではなく生き物としての花の魅力を感じさせる作品となりました。
    2020.6              

                   「渚のハーモニー」

  これは写真でしょうか、絵画でしょうか。夕方の光に輝く砂浜に打ち寄せる波は金色のグラデーションを描き、「ただそれだけ」の美しさを醸し出す。日常の暮らしの中にでも一瞬美しいと思える光がある事を教えてもらえた作品でした。

   2020.1         

                         「川辺に咲く」

 街の中には様々な魅力的な被写体があふれています。それは季節や時間、天候などの違いで目の前に現れるかどうか、そしてそれをうまく捕まえられるのか。作者は橋のたもとに咲く赤い花を川面に映る景色の中に見事に捉えました。

    2019.5                  

                       「怪獣の足」

  爪を立てて岩をガシッと掴む巨大な恐竜の足はよく見れば岩肌から生えている大きな木の根。作者は日頃からこの場所が雨で濡れるのを待ち撮影、生き物の血が通った肌の質感を表現するための作戦と観察力に感動しました。
   2018.12             

                       「斜陽」

  午後の日差しは時としてドラマチックな場面を作り出します。作者は壁に写る電線の影と日陰から現れた赤い服の男性、不思議な看板、電柱の上の青い標識、手前の女性、奥の男性それらを瞬時にバランスよく捉えたスナップ力は見事です。
  2018.3 

  
「街角」

  街のなかには色々な被写体が隠れています。作者は神戸の街を歩いてふと気づいた光景は、ショーウィンドウの前を歩く人たち、新しい街並に街灯と街路樹が画面を区切り、素敵なデザインのアート作品となっています。  
  2017.5                

                       「視線」

  都会の街中には色々な写真の素材が転がっています。ビルの壁面に飾られたモノクロームの大きな広告、男性の両腕には丸い腕時計、自転車の車輪、カーブミラー、いろんな丸の中に左上の四角の窓、作者のセンスが光ります。
 2016.1         

  
                   「時の流れ」

 映画のシーンの一コマかと思わせるようなシチュエーション、作者は偶然通りかかったこの場に絶妙な配置で人物がいてくれる奇跡に出会ったのです。この一瞬を捉える冷静さと構成力に脱帽。これぞまさにスナップショットです。
 2016.7                 

                     「象の小屋」

天王寺動物園てせの一コマ、小屋の小さな窓から伸びた太い腕のような象の鼻がリンゴをつまんでいる不思議な光景は、実は壁につけられたオブジェだそうで、一目で作り物とわかっても光線状態を見てモノクロームの表現に変えることで作品にまで昇華する作者の力量に感心しました。
 2015.7               

                       「おくるみ」

葉の形がとても不思議な立体感のある魅力的な形です。トップからの光が葉脈を美しく際立たせ、豊かなグラデーションを生んで力強い画面を造っています。フレーミングも無駄なく出来ています。
2015.4               

                      「目覚め」

朝日をうけた桜の花弁をモノクロームで表現した作品です。カラーで表現することが普通ですが、モノクロームのグラデーションの美しさを生かして描写しています。アウトフォーカスの幹の黒さが透けた花弁の美しさを強調しています。
2014.12        

                      「朝露」

宝石の髪飾りよりも繊細で美しい造形です。タンポポの綿毛に付いた微細な露が美しく描写されています。アウトフォーカスの像も奥行きを表して効果的です。画面下部にあるブルーの綿毛も表現の幅をひろげています。
2014.8       

                    「それぞれの夏」

夏の海の情景が味わい深く表現されています。主要な六人がそれぞれの役割を演じている、とてもうまい構成です。海面の光りに対するシルエットが美しく、無駄がありません。
2014.4        

                      「絆」

色、形共に魅力のある写真です。まるで絵描きのパレットさながらに、様々な色の重なりが深い味わいをつくっています。さびた鉄のフックの形・質感も良く、海辺の住人の日々の営みが見えてくる作品です。身近な被写体の発見のうまさとセンスの良さが光ります。
2014.2                

                        「樹彩」

色彩・造形感覚の良さに裏打ちされた写真です。多重撮影によるイエローとブルーの幹の映像が、黒い幹の形の美しさをより引き立てています。完成された魅力を持つ作品です。
2013.10        

★和歌山YPC例会から

                         「雲に乗りたい」

大阪・御堂筋の飾り窓。マネキンは足元だけにして、床に描かれた青空と白い雲を主役に、少しだけ街並みを入れました。おしゃれで斬新な構図に魅入ります。
2013.10        

                   「風のざわめき」

はっきりとした形を描かない画像がより多くの想像を呼びます。豊かなトーンと微妙な明暗が美しい。作者のイメージの多感さが感じられる作品です。
2013.06               

 
                   「休漁日」(2枚組)

身近にある物も、光の演出で魅力のある情況を創りだしてくれます。それを感じ取る感性との出会いで写真作品が生まれる良い例と云えます。明暗の美しさとフォルムの把握の仕方が秀れています。
2013.03             

 
                   「ようお参り」

日常生活の中の美しい光がとらえられています。画面半分を占めるおみくじのフレーミングのうまさがこの作品のポイントとなります。杖をついた老人の姿や穏やかな時間の流れを表現していて良い。
2012.11        

                    「好天」

なんでもない日常の光景をうまく写真にしています。ポイントは光の面白さです。右側のシャドー部の黒に対するビル群の白が美しいコントラストで表現され、効果をあげています。橋や日傘の人物も参加して内容を深くしています
2012.01            

                      「空中散歩」

画面が放つ魅力は、とてもノスタルジーに満ちたもので見入ってしまいます。ウィンドーガラスに映るビルや格子の直線、綱を渡るマヌカンの脚との多重の映像は、不思議な夢をかきたててくれます。
2011.11            

                      「二人の席」

実にさまざまな線が構成する美しさが伝わる作品です。視覚的な面白さを生かしたカメラアングルも良く、造形的な面白さを隙のない構図にうまくまとめています。全体のトーン配分も申し分なく優れた作品になっています。
2011.08       

                   「ひょうきんな顔


ハスの葉がこのようにユーモラスな表情を見せるとは思いませんでした。自然の造形を注意深い観察で作品にした感性が光ります。フォーカスの表現効果もよく考えられています。
2011.04        

★和歌山YPC例会から

                           「春の海」

春の麗日に照らされ、静かな海原が描写されています。モノトーンも効果的で画題どおりの作品です。
2011.02                

                               「紀の川残照」

逆光に光る舟に溜まった水に夕雲が映り、大変ドラマチックな光景です。光る川面や鉄橋、雲が季節感や情景を伝えており画面構成も適切です。
 
 2010.11             

                          「朝の市場」

日本中どこでも見られる市場の情景を、ごく普通のアングルで味のある写真にしています。特に朝の光の中に立ち上がる湯気がとても効果的です。買い物客の動作や表情も自然で、シャッターチャンスとフレーミングの良さが光ります。
 
2010.06         

                              「ひとりぼっち」

祭りの群衆から取り残されたような幼女の姿が印象的です。振り返った子供の表情から、どんなメッセージを受け取るかによって、さまざまなドラマ展開があります。子供の周辺の空間が作品の面白さを増幅しています。
 
2010.01         

                          「秋のなごり」

ショーウィンドーのガラスに映ったイチョウの木とビルですが、アウトフォーカスの像をうまく生かして幻想的な画像を作っています。全体がモノクロームのグレーで占めていますが、イチョウの葉の黄色がとてもうまく使われています。
 
 2009.11        

                        「秋の午後」

味わい深い秋を感じさせます。ローアングルの「コスモスの花」が特に良い。背景の影の部分を生かし、陽の当たる部分を美しく表現しています。シャドー部の人物も生きています。
 2009.6               

                          「扉の向こう」

デジタル写真の時代になって派手な色彩や、カミソリで切ったようなシャープなピントの写真ばかりの昨今ですが、この写真 のような柔らかい描写を見るとホッとします。ガラス越しのマヌカンの姿は大変魅力的です。フレーミングがとても繊細でバランスのよい画面構成となっていま す。写真の階調も良くシャドー部の描写がとてもうまく出来ていてドアノブが光っています。 
 2009.4             

                            「池畔の春

評:静かな早春の情景が伝わる作品です。画面構成が斬新で余韻が感じられます。水面のトーンが美しく、ボートの切り方、樹のカーブがとても効果的で美しい。少ない花が早い春を感じさせてくれます。 
 2009.2        

                          「風に吹かれて」

評:この作者のみに見えた世界をうまく作品としています。身近にある物体をこのように映像化できることは才能です。すぐれた観察力と豊かなイメージ展開と技術力が必要です。タンポポをこれほど表現した作品に初めて出会いました。輝く綿毛の描写がすばらしい。
 2008.9
            

                         「雨の通路」

評:雨の日の落ち着いた情景をうまく作品にしています。美しく雨にぬれた木の通路を中心にした構成に無駄がなく、バランスよく表現されています。 
 2008.2
       

                             「甍」

評:寺の屋根をシンプルな画面にまとめています。軒のシルエットが全体を引きしめて効果的です。シンメトリーに切り取った本道の屋根に対して、右の木の枝のシルエットが画面に動きを加えていて良い。
 2007.12        

                            「佳き日」

評:日本ならではの美しい情景をうまくとらえています。登場人物がそれぞれの役割を見事に演じているように思えるくらい見事なシャッターチャンスです。特に手前の巫女さんと風船が美しい。
 2007.11        

                         「光のシャワー」

評:自然の大きさや海の風を感じさせる作品です。サーファーのシルエットに動きがあり美しく、又光りの美しさもうまくとらえています。大きく引き伸ばして見たい作品です。 
 2007.9
       

                            「空間」

評:都市空間を微妙なトーンで美しく描いたセンスの良い作品です。ガラス越しのダークトーンに対する左奥のレンガ色が大変美しい。曲線と垂直線による画面処理のセンスが優れています。
 2007.6
       

                                「雲景」

評:主役の雲達が雄弁に語ってくれる良い写真です。水に映る雲と光る海面の描写が効果を上げて、スケールの大きな表現になっています。
 
 2007.3
              

                            「それぞれの想い」

評:
祭りの日の境内の情景を落ち着いた視線で切り取り、良い作品にしています。手前の婦人の手のポーズが気持ちを表現していて良い。赤い服の女性を入れたのも内容を深くしています。 
 2006.11
       

                               「秋のひととき」

評:
秋の気配と光りの美しさがモノトーンでうまく表現されています。明暗のバランスが良く、特に人物のラインライトが美しく、秋の高原の空気が感じられます。 
 2006.7              

                            「二人」

評:
まるで映画のワンシーンを見るような作品です。モノクロームによる逆光で光る海が美しい。素直な構図で若い二人のシルエットが生きています。特に女性のしぐさがとても良い。
 2005.12
          

                                 「夕照」

評:なにげない光景が夕方の斜光線の演出によって、人の心に何かを伝達する瞬間をうまく撮っています。適切な暗部の省略による表現が奏功しています。
 
 2005.10
             

                                「夏の海辺」

評:
雲の表情や大きく取り入れた空の広さが、伸び伸びした感じをさせて良い。親子がしっかり手をつないで、後姿ながら表情が想像できる写真です。大きく引き伸ばして見たい作品です。 
 2005.8
       

                                 「閉店」

評:
広い空間の中に、白いいすがうまく配置され、モノトーンにまとめたのが成功しています。暗い背景と地面がいすを引き立てて、落ち着いた作品になっています。
 2005.5               

                                 「花吹雪」


評:題名通り花吹雪がまるで本物の雪のように写っています。桜の木が画面内になく、花びらだけというのも説明的でなくて良い。画面中央の石の構図も良く、背景の描写も良い。 
 2005.3        

                                「光景」

評:
実像と虚像を一枚の写真にして、見る者に質問を投げかける作品です。曲がった像が面白く、効果的です。画面構成のバランスもよく、右端に入った小さな家の入れ方もよい。 
 2004.11        

                          「朝の散歩」

評:
木漏れ日の描写がよく、親子の姿がとても穏やかでホッとする作品です。光の明暗を生かした、写真の原点に戻ったモノクロームのよい作品です。 
 2004.9        

                                  「夕照」

評:
情緒あふれる作品です。夕日に映える電車の車体がとても良いポイントになっています。空、川面のトーン描写も適切です。何気ない情景を天候、時刻を選ぶことで作品に仕上げています。
 2004.7        

                                「散水」

この作品も季節感がよく表れた作品です。水滴が速いシャッタースピードで美しく描写されています。シルエットの子どもの足が効果的にフレーミングされ、簡潔な画面構成がより味わい深い作品にしています。 
2004.1                

                          
「愛しいしと」

インパクトのある絵柄が見る人の感情を揺らす写真です。的確なフレーミングで切り取られた情景がモノクロームにぴったりな作品です。 
2003.11         

                                  「終焉」

評:写真の楽しさは、写真を読み解いていくこと。壊れた自転車、れんがの向こうに撮影者の意図を読み解いていく楽しさ。
 
2003.10         

                                 「雨上がり」

評:平凡な日常生活の中から、一瞬の状況を写真にした良い作品です。雨上がりの道の表情と自転車に乗った子どもの姿が気持ちをよく表しています。鉄のフレームが力強く画面を引き締めています。
 
 2003.6        

                          
「停車」

評:何げない日常をカメラを使って、ちょっと見る角度をかえると、非日常になる。写真表現のダイナミックさです。
 
   
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